マルチドメイン対応のレンタルサーバーとは?
「マルチ」は「複数の」という意味ですが、マルチドメイン対応のレンタルサーバーを利用すると、ひとつのサーバーに複数のドメインを設定することができます。
例えば、10個の独自ドメインを取得している場合、さくらインターネットやエックスサーバーなどのマルチドメイン対応のレンタルサーバーを利用すれば、ひとつのサーバー契約で10個のサイトを運営することができます。
ただし、必ずしもマルチドメイン対応でドメインを無制限に設定できるわけではなく、10個までとか20個までなどに制限されているケースが多いです。
また、WordPressなどのCMSで複数のサイトを構築する場合、ドメインの設定可能数のほか、データベースの設定可能数も考慮に入れなくてはなりません。WordPressなどで複数のサイトを構築する場合、基本的にはサイトの数だけデータベースが必要になります。
たとえマルチドメイン対応であっても、データベースの利用はひとつのみとか、3つ程度までに制限されていることもあるため、CMSで複数のサイトを運営する際にはよく確認してから申し込むようにしましょう。
~ マルチドメイン対応の格安レンタルサーバー ~
- エックスサーバー:無制限
- お名前.comサーバー:無制限
- ヘテムル:無制限
- ConoHa WING:無制限
- コアサーバー:50個 ~ 無制限
- サクラインターネット:20個 ~ 無制限
- ロリポップ:20個 ~ 無制限
- スターサーバー:20個 ~ 無制限
ただし、複数の自サイト間で相互リンクをする場合、ひとつのマルチドメイン対応サーバーのみで運営するよりも、ドメインごとにIPアドレスの違うレンタルサーバーを確保した方がSEO対策上は有利になります。
複数のサイト運営にはIPアドレス分散が有利
複数のサイトをひとつのマルチドメイン対応レンタルサーバーで運営する場合、IPアドレスがすべて同一となってしまうため、それぞれのサイト間で相互リンクしてしまうとSEO対策上はあまりよくありません。
同一のIPアドレスからのみ多数の被リンクがある場合、自作自演のSEO対策とみなされてしまう可能性があり、10本分の被リンクがあったとしても、そのうちの数本程度しかカウントされない傾向があります。
例えば、人気ブログのサイドバーなどにお友達リンクとして追加してもらえた場合、全ページから無数の被リンクが発生しますが、同一サイトからの被リンクをたくさんもらってもあまり意味がないです。一般的には、同一IPアドレスからカウントされるのは2本程度までといわれています。
また、複数のドメインから被リンクがあり、それらがすべて同一のIPアドレスばかりだった場合、たとえ意図的なSEO対策ではなかったとしても自作自演とみなされてしまう可能性があります。
例えば、以下のようなA、B、C、Dのようなサイトがあったとします。
【サイトA】
被リンク数:100,000本
ドメイン数:2個
IPアドレス数:2個
【サイトB】
被リンク数:500本
ドメイン数:500個
IPアドレス数:1個
【サイトC】
被リンク数:10,000本
ドメイン数:5,000個
IPアドレス数:5,000個
【サイトD】
被リンク数:30本
ドメイン数:20個
IPアドレス数:20個
このうち、Aは実質的に2サイトからの被リンクしかないため、もし私が検索エンジンのロボットならAは検索結果では上位に表示しません。たぶん、長期的に運営しているブログのサイドバーなどにお友達リンクとして設置されているものと思います。
また、Bはひとつのサーバーのみから大量のリンクがあり、意図的な自作自演とすぐに分かりますので、たぶんペナルティーを課すと思います。
Cについてはバランスがよく、超人気サイトである可能性も一方ではありますが、本数が多すぎるため、僕がロボットならたぶんトラックバックスパムと判断します。
そのため、このなかではサイトDあたりを上位に表示すると思います。
このように、姉妹サイトをいくつか運営する際など、複数のサイト間で相互リンクをする場合、それぞれにIPアドレスの違うレンタルサーバーを用意した方が検索エンジン対策には有利といえるでしょう。
もちろん、相互リンクをせず、まったく別々のサイトとして構築する際には1台のレンタルサーバーで運営しても問題ないですが、関連性のあるサイト間で相互リンクをする際はIPアドレスの違うレンタルサーバーで分散することをおすすめします。
IPアドレスが違うレンタルサーバーを確保する方法
IPアドレスがどの程度まで違えばよいのかというと「Cクラス分散」以上といわれています。
例えば、IPアドレスが「123.456.789.101」であった場合、点が左からみっつめの部分の「789」の部分がCクラスにあたります。つまり、「123.456.*.*」まで同じであったとしても、それ以下が違っていればOKです。
一方、「123.456.789.*」まで同じで、最後の「101」が「102」とかで違っていても、これではIP分散とはいえません。
たいていはサーバー会社が違えば別々のIPアドレスにはなりますが、同一会社内の同じグレードのレンタルサーバーを2台借りた場合はIPアドレスが重複してしまうケースが多いです。
同じ会社でもワンランク上のタイプとか、あるいは契約時期が違うケースなどは違うIPアドレスになることもありますが、契約した際に通知されるサーバー情報や管理画面などでIPアドレスを確認されてみることをおすすめします。
例えば、さくらインターネットのライトプランを2つ同時に契約しても同じIPアドレスになるケースが多いですが、ライトプランとスタンダードプランでは別々になることが多いです。また、ロリポップなどのように、プランが違っても全て同じIPアドレスになるサーバーもあります。
もし、複数のレンタルサーバーを契約される際には、1台はサクラインターネットで、そしてもう1台はエックスサーバーでといった感じで、それぞれを別々のサーバー会社で契約した方が確実に違うIPアドレスになるものと思われます。
ちなみに、より効率的にこのIPアドレス分散を実現する場合、ひとつの契約で複数のIPアドレスを利用できるIPアドレス分散タイプのレンタルサーバーなどもあります。(※クイッカのIQサーバーなど)
ただし、このIP分散タイプは多少は料金が高くなってしまいますし、万一、サーバーダウンした際のリスクが高いため、格安サーバーで分散させた方が効率的です。当サイトでは月額100円前後の個人向けレンタルサーバーも多数比較していますので、チェックされてみるとよいでしょう。